使命 〜目指していること〜
「ニンジン」は、モンゴル語で「人道的な」という意味です。ニンジンは、モンゴルの障がい者との交流・支援の輪から広がって、アジアを中心に人間的な社会の実現をめざそうと、2003年に設立され、2005年に法人化しました。
ニンジンが目指しているのは
心身に障がいがある、あるいは少数民族に生まれたからなど、さまざまな理由であたりまえの人生を送ることができずにいる人たちが大勢います。ニンジンでは、それぞれの地でこうした問題の解決に努力している人びとと手を携えて、ひとりひとりの生命が大切に育まれる社会、個の実現が可能な社会をめざしています。
ニンジンのあゆみ
そもそもは、1992年に「国連・障害者の10年」最終年記念事業に初めてモンゴルから参加があったことがきっかけとなり、2003年3月まで国内で障がい者理解を推進するための(財)国際障害者年記念ナイスハート基金において「モンゴル障害者支援事業」が取り組まれました。障害者団体のリーダー養成研修に始まり、ウランバートルに義肢装具工場を立ち上げ、モンゴルの障がい児学校との交流を実施してきました。その関係者が中心となりニンジンを立ち上げました。
モンゴルについては、使用済み車いすの収集と配布や、療育専門家を派遣しての支援を行ってきています。2004年から、東京・板橋区にある心身障害児総合医療療育センターの協力により、子ども用車いす、歩行器などを収集・整備してモンゴルに運んでいます。昨年末で累計600台を超えました。
また、理学療法士や作業療法士、義肢装具士など専門家が現地へ赴き、車いすの適合をみたり、障がい児の訓練について現地従事者への指導を行ったりしてきました。モンゴル障がい児の保護者の会を主な支援対象として、環境の整わない中で障がい児のために取り組んでいる方々と手を携え応援しています。
あわせて、タイ・ミャンマーの国境をはさんで生活している山岳少数民族(ラフ族)の自立をめざしているNGO RudeLa(Rural Development of Lahu)のプロジェクトである子ども寮や持続型農業を学ぶ研修農場への支援、交流をしています。
主な事業
海外協力事業
モンゴル障がい児療育支援事業
以下の3つの側面から活動を行なっています。
- 専門医師・保健師・理学療法士・看護師などからなるチームで、モンゴル社会における障害児をめぐる状況の実態調査を行い、保護者の会が行う運動へのアドバイス・啓発、リーダーを日本に招いて研修の機会をつくっています。
- 車いす専門家チームにより障害児の身体に合った車いすを贈ることで障害児の発達を援助しています。また、車いすのソフト(ベルト・クッションなど)については、現地で対応できるよう研修、仕組みづくりを進めています。
- 立ち上がった自主保育グループ(のなかの2か所)をこれから各地に作られる障がい児センターのモデルとなるよう保護者および保育者を対象に療育技術移転と、あわせて現地のPT、家庭医等の療育指導者を対象に研修を行い療育技術の普及を図っています(JICA草の根技術協力事業として専門家がチームを組み2016年9月から3年間実施中)。
北タイ等の山岳少数民族自立支援
タイ・ミャンマーの国境をはさんで生活している山岳少数民族(ラフ族)の自立をめざして、子どもたちが学校に行くための寮や持続型農業を学ぶ研修農場へ支援、交流しています。
海外交流事業
- 「モンゴル交流ツアー」…車いすを届け交流、あわせてモンゴルの大自然を満喫します。
- 「北タイ焼畑の村スタディツアー」…プロジェクトの現地を訪ね、村の人びとの生活を体験します。
- 「高校生・北タイスタディツアー」…東京の順天高校のタイ修学旅行の北タイ滞在期間のスタディツアーを企画・コーディネートしています。
文化交流事業
モンゴルの馬頭琴を中心に伝統音楽を紹介するコンサート『モンゴルの風』をはじめ、日本とモンゴル、タイ等の橋渡しを進めています。